居酒屋だるまで起こった会社員殴打事件の被疑者取り調べ。
被疑者は、大手広告代理店の係長。
被害者は、その部下。
湾岸署の取調室で、青島がひとりで取り調べている。
大きなプロジェクトを進行させている最中だが、ちょっとうまくいかないことがあり、部下ふたりを連れて飲みに行って熱く説教してしまい、うっとおしく思った部下に殴られてしまったらしい。
らしい、というのは本人にちょうどそのときの記憶がないから。
ふだんはそんなことないのに、その日はビール2杯で朦朧としたという。
取り調べをする青島は、2月に係長に昇進したばかりで、初めて部下をもつ身になり、同じ係長という上司としてどう部下に接したらいいか、取り調べしつつも、つい自分のボヤキが始まる。
それに対し、「部下ひとりひとりの個性にあわせて対応するようにしている」と被疑者の野村(仲村靖日）が語る。
会社員殴打事件が起こった現場で、当日たまたまいっしょに起こった痴漢事件の被疑者を取り調べる青島。
被疑者堂島（笹野高史）は、化粧品、シャンプーを扱う大会社の社長。
大会社の社長ということで、袴田係長は恐縮していっしょに挨拶にくるが、彼は、青島が何を言っても威圧感をもっただんまりを決め込んでいる。
「なんで、大会社の社長が・・・だるまになんか行ったの？」と訊く青島。
やはりだんまり。
最後にキレた青島が、「犯人に地位が上も下もないんだよ！被害にあった女性が泣いてるんだ！」と睨みつけると、初めて「自分はやってない！」と怒鳴り返す。
会社員殴打事件の被害者竹下（浪岡一喜）の取り調べ。
淡々とした印象の被害者。
青島が何を聞いてもほとんどしゃべらない。
「酒はのめないの？」に「飲めないんじゃなくて、飲まないんです。」と返す。
飲みに誘われた上司、いっしょにいた同僚の話を聞いてもほとんど反応なし。
そういう場は苦手で、早く帰りたかったらしい。
青島は、自分の部下にもこういうタイプがいるなぁ・・・と思っている。
被害者の彼は、新婚。
だが、左手薬指に結婚指輪はなく、奥さんにメールしても電話しても出てもらえない、連絡がとれないという。
痴漢事件被害者の女性はるか（板野友美）から事情をきく青島。
女性の取り調べは苦手なんだよなぁ・・とぼやく青島。
夏美に行ってくれないか？と頼むが断られる。
ふたりだけで何かあったらマズにイから、これが決まりだから、と夏美にいっしょに取り調べることになった。
が、夏美は、被害者に同情してしまい、「いいの、いいの。言いたくなければ何も言わなくても。」とか「犯人絶対許せないよねっ！」とか熱くなりすぎてしまい、青島にたしなめられる。
被疑者の彼女は、彼といっしょにだるまに行ったが、別れ話を切り出され、ひとり置いていかれたところに初老の男性（第二話の被疑者）に胸をさわられたのだという。
その痴漢を、大きな男が取り押さえたところに、会社員殴打事件の通報で警察がやってきて、いっしょに事件扱いになったらしい。
会社員殴打事件の通報者、被害者の同僚・佐山（浅利陽介）から事情聴取する青島。
彼は、上司に忠実で真面目なタイプであり、「まさに忠犬と野良犬だな」と袴田課長から言われている。
大学時代、運動部で空手をやっていた佐山は完全な体育会系で、年齢が上の人はみな先輩であり尊敬しなければならず、先輩を立てることに専心している。
「今どきめずらしいね〜〜」と感心する青島。
事件当時の様子をきくも、トイレに行って帰って来たとき、朦朧としていた係長が、それまでずっと説教し倒されていた被疑者に後ろからいきなり殴られたのだという。
いっしょにいた彼は、一度も係長から説教されたことはないが、被疑者はいつも周りが引くくらい説教されていたそうだ。
そして、これはあんまりだ、通報するのが係長のためだと思って、被害者に警察への通報を勧めたのだという。
痴漢事件のことも尋ねられ、見てはいないが、係長が通り過ぎたとき、女性の悲鳴があがったように思うと言う。
痴漢逮捕に強力した大きい男は、実は元プロ野球選手小山田（姜暢雄）だった。
青島の部下となった緒方の憧れであり、青島といっしょに事情聴取することになる。
サイン用色紙をかかえて取調室にはいる緒方。
質問もファンがするような、事件とは関係ないことばかり。
当の元プロ野球選手は、顔色も悪く様子が変。
事情を聞くも、はっきりしない。
青島は薬物中毒を疑い、生活安全課に調べてもらうことにする。
中国人スリ集団を逮捕した生活安全課だったが、通訳がおらず、刑事課に取り調べをまかせてしまう。
中国語がわからない青島と犯人では、さっぱり話が通じない。
その後、刑事課にきた中国からの研修生王が、通訳を務めにはいるが、自分たちばかりで盛り上がって青島にはまったく話が見えない。
どうも、事件当日、だるまでセカンドバッグを掏ったものの、中に金目のものがなかったのでそのセカンドバッグを元に戻したと言っているらしい。
そして、その中には薬のような白い粉がはいっていたという。
だが、掏ったものの元にもどしたセカンドバッグは、現場には残されていなかった。
殴打事件被疑者再びの取り調べ。
実は、痴漢についても疑いをかけられているが、否定する。
そして、被疑者堂島にはるかから近付いていったようだと告げる。
被害者を周囲が引くほどしかり、通報を勧めた同僚には何も言わないのはなぜかと青島に尋ねられた彼は、部下の適性を見て指導しているからだという。
何も言わない同僚には、「がんばっている者はそのうち成功するからだ。」と。
痴漢された被害者さおりをだるまに残したまま先に帰った元カレ・竜太（山根和馬）からの事情聴取。
竜太は、青島と顔みしりのワルだった。
「おまえみたいなワルがあんなきれいなお嬢様とつきあえるなんて、なんて幸せもんなんだ！」という青島に対し、竜太は、彼女をふったという。
やはり自分とは合わないと思ったからだそうだ。
そして、そのときに、気になっていたブランドのバッグが目に付いたので置き引きした様子。
その中にあったやばそうな薬を、そばで部下にうるさく説教していた殴打事件被疑者のビールにこっそり混入したと言う。
その薬は睡眠薬で、薬物中毒を疑われた元プロ野球選手は、重症の不眠症だったのだ。
ふたたび痴漢の被害者さおりからの事情聴取。
ワルな竜太とつきあっていたものの、自分はつまらない女だからふられてしまい、不幸の淵に沈んでいたとき、ひとりで幸せそうにほほえむ会社社長を見て、「あんたが幸せだから私が不幸になったのよ！」と八つ当たり。
自らその社長に近付いていって胸をさわられたと騒ぎたてたのだと言う。
そして、そこにいたもうひとりの不幸な男・殴打事件の被害者に思わず寄り添ってしまったのだった。
一方、痴漢の冤罪がとけた会社社長にあやまる袴田課長。
大会社の社長でありながら、だるまに通っていたのは、偶然初恋の人がそこで働いているのを知り、遠くからその姿を眺めるだけで満足だったからだという。
ようやく連絡がとれた殴打事件の被害者の妻から事情聴取。
結婚する前から浮気症だった夫が、毎日帰りも遅く、また浮気かと会社まで押し掛けたが、もう帰ったと言われた。
だるまにいるところを見付けたが、彼には若い女がよりそっており頭にきたという。
殴打した本当の人物は被害者の妻だったのだ。
なのに、どうして同僚は通報までさせたのか。
再び彼から事情を聞く。
いつも説教される同僚に比べ、期待されていない自分は何も言われないことに腹を立てていた。
「係長は、君が思っているよりもっと君のことを見ていると思うよ。」と告げる青島。
無事事件は解決し、毎日大変だったね、とねぎらう袴田課長に、取調室にいると落ち着く、刑事のゆりかごだと言う青島。
虚心になって事情聴取していると事件が見えてくるのだという。
最後に署長に呼ばれた青島は、「本部長に興味ない？」と声をかけられた。
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| BGMタイトル | Rhythm and Police |
| 作曲 | 松本 晃彦 |
| MIDI | しらぽん |