『真夜中の雨』第７話

制作：TBS
放映：2002/11/21
脚本：福田靖
演出：松原浩
キャスト:都倉隆（織田裕二）30歳・水澤由希子（松雪泰子）29歳・泉田慶一郎（長塚京三）61歳・泉田俊介（阿部寛）35歳・泉田信哉（松岡俊介）28歳・泉田香織（山田麻衣子）21歳・安藤浩（石黒賢）38歳・広田マキ（田中美里）27歳・三輪忠志（佐戸井けん太）56歳・小笠原彰（津嘉山正種）60歳・加山亜紀枝（八木小織）

サブタイトル「父の深い衝撃」

＜ストーリー＞

第二外科の主任となった都倉は、その手腕を発揮し、俊介の第一外科を凌駕しだした。
俊介は、都倉に裏切られた思いで反感を持ち、第一外科と第二外科の溝は深まるばかりだ。
院長は、慶明医大小笠原教授と都倉の関係を察し、その真意をただすが、都倉は、出世などのぞんでいないというだけだった。
だが、都倉は、病院経営にも興味をもったかのように、小笠原教授を動かして、患者数の少ない科の削減をはかる。
同僚からも人が変わったようだと言われる都倉のその姿は、自分たちを見捨てた院長に対する復讐のようであった。
そして、ついに、院長は、小笠原教授から医師会役員推薦の取り消しを告げられてしまう。
一方、由希子は、ケンカで人を殺したと自首してきた初老の男を取り調べるが、どうしても、その男が犯人だとは思えない。
「ワルになりきれない男は、目の奥が澄んでいる」と言う由希子は、同時に都倉のことを思う。
事実、殺人犯人は、自首してきた男の息子で、父は息子の身代わりになろうとしていたのだった。
「家族のことを思うと、院長を憎み続けることはできない。父の病院を乗っ取ろうとしているあなたのようにはなれない。」という由希子に、都倉は、「乗っ取るつもりはない。救いたいだけだ。」と本心を明かす。
そして、自分の考えた再建案を手に院長を訪ねようとした都倉だったが、息子である自分が慶明医大との関係を切って病院を救うという俊介と院長の会話に立ちすくむ。
そんなころ、誕生日が近づいた香織は、気になる都倉を、父や兄の意向を無視して誕生パーティに招待することにした。
香織が生まれたその日が、あの事故が発生した日であることを知った都倉はやりきれない思いになるが、出席した。
誕生パーティの席で、気まずい雰囲気をもりあげようとした信哉は、香織の生まれた夜のことを話す。
動揺を隠せない都倉は、スピーチを頼まれて、自分の過去を話しだす。
母とふたりきりだったけど暖かい家庭だったこと、自分たちより大事にしたかったものがあった父親のこと・・自分たちより大事にしたかった『家族』がここにいる・・と痛感した都倉は、いたたまれなくなり話を続けることができずに退出する。
その頃、由希子の父・三輪にも覚醒のきざしか、涙を流していた。
急いで病院に向かう都倉。そんな都倉を追って病院にきた香織は、階段から転げ落ち、意識を失う。
香織が怪我をしたことを知った院長は、院長室に都倉を呼び出し、「これ以上自分の大事な家族に近づくな！」と言い放つ。
自分たちを見捨て、母を死なせてまで娘の誕生に間に合いたかったのか、それではあまりに母がかわいそうだ・・と都倉は、母のこと、そして自分が院長の息子であることを告白する。
院長は、その事実に衝撃を受け、そのショックのあまり、胸をかきむしり倒れた。

＜感想＞

今回はもっと冷酷さを見せる都倉かと思っていましたが、反対に必死で親を慕う子供の情を見せつけられました。
でもって、またまた、そんな都倉センセに泣かされましたぁ〜。(T_T)＜ベタなヤツσ(^^;
「病院を乗っ取ろうとするあなたにはなれない」と言う由希子に「そんなことは考えていない。僕は病院を救いたいだけです。」と静かに告げた瞬間、鼻の奥がツ〜ンとして、院長室の前で俊介と院長の会話を漏れ聞いてしまったときにはもう、イタくてボロボロ。
「この病院は、息子の僕が立て直します。」という俊介の声を聞く都倉から、「オレだって息子なんだ！」という声にならない、悲痛な心の叫びが聞こえた気がします。
その後、呆然とソファにすわりこんでいるところでは、その寂寥感あふれるいたいけな姿に、思わず抱きしめたくなっちゃったよ。(/_;)
なんてケナゲないい子なんだぁあ。(T_T)
おばちゃんが、ヨシヨシしたるから、こっちおいで！・・ってちゃうか。（爆）＜子供ちゃう、ちゅーねん。(((((^^;
冷静に考えると、都倉の再建案は、彼を誤解している院長から『乗っ取り案』と見られて、ハナから採用は却下されると思うんだけどね。
拒絶されることもわかった上で、それでも考えて作成した案なんだろうな・・と思うと、もう不憫で不憫で・・。（号泣）

前回からの流れでは、都倉の目的がよくわからず、院長が執着する病院の乗っ取り作戦を開始しだしたのかと思っていました。
自分たちを捨ててまで大事に大きくしてきた病院を、院長から取り上げるのか、ぎりぎりのところまで追い詰めて屈辱感･敗北感を味あわせるのか・・
でも、父親とわかったときから、院長を憎みきれない都倉がいて、どうするのだろう・・と謎でした。
まさかこんないいヤツだったとはね・・。(^^;
再建することが制裁になる・・・自分の力を認めさせたかったのか。
再建してどうしたいのか・・慶明医大の大規模子病院にしたい・・わけじゃないと思うんですけどね。
病院を自分のものにしたいわけでもない・・とすると、泉田病院が『個人病院』であることがポイントのように思えます。
医大の協力なしには医師の手配が困難な個人病院・・・そこから慶明医大の影響を排除するには、もっと規模を縮小するしかありません。
『オレの病院』（院長）の言葉を忠実に実現させるためには、あのままの規模では無理でしょう・・。
都倉は、そのことを院長に思い知らせたいのかなぁ・・とも思ったりして。(^^;

一方、久々に刑事になっていた由希子。
いきなり乱暴なんだも〜ん。((^^;
こわーい、素敵〜〜。（笑）
反対に、見た目はごつい樋口刑事の、取り調べ時の優しげな口調もよかったな。
それにしても、由希子、ほんとは、容疑者から怖がられる強面の刑事さんだったのね。(驚）
このドラマでは、どうしても彼女のプライベートな面を描いてしまうので、仕事のシーンが少なかったけれど、たまに出てくるシーンで、なかなかの仕事ぶりが伺えました。
だが！しかし！！BUT！！！
あの自首してきたおっちゃんには殺せないような、180cmを越えるアメフトのセミプロ選手の被害者を、殴り殺すのは、あのヘナチョコ息子じゃ、なおのこと無理。
マトモにやりあったら、絶対返り討ちにあうと思うぞ。（爆）
あ、卑怯そうなヤツだったから、だまし討ちにしたのか？(((^^;＜すっごい偏見

その殺人事件も含めて、今回のテーマは「親子の絆」かな。
香織の誕生パーティでのスピーチ・・・都倉の葛藤がよく現れていましたね・・。
院長の目を見て、母のことを話す辛そうな都倉の顔・・・「また不愉快な話を始めやがって」と言いたげな院長の仏頂面。
父が自分たちを捨てた理由がこの場にいる『家族』なんだと、自分もホントは血がつながっているんだと言いたい、でも、言えない・・。
父である院長には自分が誰だかわかってほしい・・。
でも、何も知らずに自分を見つめる、母の違う妹や弟や兄。
ここで全てを言えば、この人たちまで傷つけてしまう・・。
そして、その場にいたたまれなくなった都倉。
ほんと、泣けましたわ〜。
これまでの事情や事故の話も何も知らないで、あのスピーチだけしか聞いていない香織の友達だったら、「この人・・マザコン？」って思うかもしれないけどね。((((^^;
まったくの余談ですが、先日、映画館で『青春の蹉跌』を見てきたんですよ。
若い頃の泉田ママが出てらしてビックリしました。顔じゃわからなくて、声でわかった。（爆）
俊介みたいな男の子もいたし、あの赤ちゃんは、信哉だったのか！年齢的にピッタリだし！（爆）＜って、話が違う、ちゅーねん。((((^^;

ラスト近く、階段から落ちて意識を失った香織に、「香織！オレの声が聞こえるか？！」と必死で呼びかけるのを聞いたとき、この娘の誕生に間に合うために自分たちが見捨てられ、母が亡くなったのかも・・と思う反面、それでもこの子は妹なんだと思っている都倉がいました。
ずっと、ひとりで生きてきたんだもん・・・。
家族がいたらいいな・・って何度も思っていたのでしょうね。(T_T)
その後、「おいっ！オレの声が聞こえるか？！」としか言っていないことが判明。私の解釈は全く的外れでした。（爆）

ほんとに、院長は、娘の誕生に間に合わせるためだけに、先を急いで焦って事故を起こし、結果、都倉母子を置き去りにしたのでしょうか？
だとすれば、都倉ママの「やめてーー！」という叫びはなんなのか？
事故だったら「危ない！」とか「きゃぁあ！」という悲鳴だけだと思うのです。
まだまだ、あの事故には秘密がありそうですね。

それにしても、いずれ、院長は倒れると思ってはいましたが、まさか、今回、息子だとわかったとたん倒れるとは！
うーん・・でも、ま、発作を起こすきっかけとしては、妥当かな。(^^;
病に倒れた後、都倉を目の敵にしている俊介とも協力して、ふたりの父である院長を手術し、回復させ、その後、都倉は病院を去る・・・で最終回だと思っていたのですが、残り4回。
まだまだ話は転がりそうですね。
安藤の野望もまだよくわかっていないし、これから絡んでくることと思います。
この詰め込み方、『真夜中の雨』『真夜中の雨２』を1クールに収めた感じがします。（笑）
ここまで通して見て、なんというか・・一見、すっごいベタな展開なんだけど、ぐいぐい引っ張られるんですよね。
きっと、それは、浅くも深くも見る人次第の、本当にドラマらしい、いいドラマということなのでしょう。(^^)

ドラマも終盤にはいって、疲れもたまりにたまっているでしょうが、どうぞ、この勢いで最後まで走り抜けてください。＞キャスト＆スタッフALL
そして、超ハードスケジュールな上、いろいろ考えるとなかなか眠れないかもしれないけど、ちゃんと寝てね。＞織田くん

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