都心にある、有名な天真楼美容院に、新しいカット担当者・司馬がやってきた。 新任のくせに、なぜか、やたら態度がでかい。 が、ハサミさばきは、超一流。 彼の手にかかれば女っぷりも数段アップ、おまけにアデランスのお世話になるのも数年はのびるという噂だった。 客あしらいも悪いので、おせじ好きなおばさんにはウケが悪かったが、本当に奇麗になりたいと願ってくる客は、よぶんにチップを渡してでも、司馬にカットを頼むのだった。 第一、いい男に髪をさわってもらうのは、極上の幸せってもんよ。(^^;）
彼の指名は、３ヵ月先まで予約でいっぱい。 が、かなりの額の裏チップをはずめば無理を聞いてくれるのだ。
こういう事態に、もとからいた石川や平賀が面白いはずがない。 おまけに、どこから情報を仕入れてきたのか、峰が石川に告げ口する。
「司馬ｾﾝｾは、ムショ帰りなんですって。沢子さんとは、結婚寸前で破談になったそうですよ。」
沢子は、石川たちに、司馬が以前、顔剃り中に客の頚動脈を切ってしまい、業務上過失致死で刑務所にはいっていたことを認めた。
今日も、石川は司馬とぶつかっている。 石川「客を選んでいいと思ってるのか！？」 司馬「オフに何しようと俺の勝手だろ。」 「どうしてこんな奴を入れたんですか？」
中川にくってかかる石川。 が、中川は司馬をかばうばかりだった。
そこに、もうすっかりヤバくなった客がやってきた。 おまけに、残り少ない髪を１本でも抜けさせれば、激怒して何をしでかすかわからないようなタイプだ。 シャンプー担当の峰は、客をシャンプー台まで案内したものの、こわくて触れない。
「先生・・。」
石川に頼ろうとする峰。困惑する石川。 が、そこにやってきたのは司馬だった。 「どいてろ。」 と峰を押し退け、シャンプーする司馬。 あっという間にカットもしてしまい、客は大満足して帰って行った。 もちろん、そこにも裏金があったことは言うまでもない。
またも、中川にくってかかる石川。 が、中川の答えは
「理由はひとつ。彼は超一流の腕をもっている。あいつだから毛が残ったんだ。」
司馬は、石川に向かってうそぶく。
「くやしいねぇ。」
むっとする石川。
「そうだ・・なんて言ったかな。あのシュンプー担当。そうそう、峰くん。あいつ、俺 に惚れてるよ。」
キレて殴りかかる石川。 ふっとぶ司馬。 切れた口元を歪めてあざ笑う司馬。YAH YAH YAH 〜♪