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『恋はあせらず』

1998年４-６期に、CX水９で放映された『恋はあせらず』です。

視聴率データはこちらです。

遺跡はこちらです。

ストーリー

第１話「世界中の女は俺たちに惚れている」
南の島ヤンバルで、マリンインストラクターをしていた喜屋武明（織田裕二）は、自分が言った言葉は、何が何でも実現させてしまう男。
島ではモテモテなので、自分はイケてると勘違いしている。
そんな彼が、幼馴染みの乙女（鈴木杏樹）に「明がもててるのはただのリゾラバ。」と言われ、思わず手にしていたグラビアの美女・麗（小雪）だって、自分に会えばイチコロだと宣言してしまう。

亡き父の店を売り払って一旗あげようと上京してきた明は、いきなり長谷部涼（香取慎吾）に騙され、全財産を奪われてしまうが、「絶対返す」という涼の言葉を信じて警察にも訴えない。

ストーカーにも間違われ、さんざんな目にあった明は、自分にでもできる仕事として幼い頃から見てきたバーテンダーになろうと、募集をみて、津守（藤竜也）が経営する銀座のミリオネーアに就職する。

第２～５話
麗を町でみかけ、執拗に追いかけまわした明は、努力のかいあって、ついに、麗とデートすることになるが、そのころ、借金のカタに犯罪の片棒をかつがされそうになった涼を助けるため、せっかくのデートをパーにしてしまった。
が、その後、麗が店に現われ、「ギムレット」を注文する。
実は、「ギムレット」は麗の思い出のカクテルだったのだが、明はその味を再現することができない。

第６話「俺たちは天使じゃない」
ちょっとやさぐれてしまった明は、ミリオネーアを飛びだし、島で出会った真理子（国生さゆり）の仕事を手伝うことにするが、それは、ありもしないリゾートホテルの使用権を売るという詐欺だった。
それに気付いた明と涼は、金を取り返す。

第７話「お金なしでも出世する方法」
店をもつ、という目標も見い出した明と涼。涼は、ハワイにラーメン屋を開くのが夢だが、ラーメンを作ることさえできない。
そんなとき、やくざなチェーン店の連中から因縁をつけられている屋台の親父を助け、そこのラーメンの味に感激して、涼は弟子入りする。
一方、津守は借金が返せず、ミリオネーアが銀行のものになろうとしていることを知った明は、必死にアルバイトを重ねてついに２００万円を作り出す。

真っ当に働こうとした涼だが、またも因縁をつけにきた連中と暴力沙汰をおこし、慰謝料５００万円を請求されてしまう。
困った涼は明に頼むが、明もミリオネーアを救う金だから、と躊躇する。
が、いっしょに本部に乗り込み、相手方の骨折はうそだったことを暴く。
「それでも２００万は受け取ってくれ。そのかわり今後いっさい、あの屋台には手出ししないように。」とタンカを切る明に、ヤクザは承知する・・・が、明がわたしたのは、札束の前後４枚、４万円だけだった。
屋台の親父からもらった給料４万円をたしてちょうど２００万。無事、権利書を取り返せたふたりだった。

第８話「別れ・そして成功への階段」
コインウォッシャーのヒット以来、明はマスコミにも取り上げられ、ミリオネーアは大繁盛。でも、津守は、満員の客で溢れかえる店が微妙に荒れはじめていることに気付き、しばらく休業すると言い出す。
昔、津守は都内に５件も繁盛する店をもっていたのだが、だんだん客あしらいが雑になっていき、バブル終焉とともに没落していったのだった。
その頃、明は涼とともに、超一流のピンクドルフィンから声をかけられていた。
津守を一人残しては移れないという明だったが、ピンクドルフィンのメインカウンターを見て、ここで挑戦してみたいと思うようになる。
その気持ちを察した津守は、ゴールドラシュを表わすクロンダイクハイボールでふたりを送り出すのだった。

第９話「大どんでんがえし」
ピンクドルフィンへ移った明と涼は、やがて対立し始める。
店長・寺崎（長谷川初範）の手腕に対する評価の違いからだ。店が客を選ぶのだ、という寺崎の方針に逆らった明は、ついにカウンターから締めだされてしまう。
そのころ、ピンクドルフィンのアメリカ進出をかけた提携先のホテル王・ファンズワース氏が、おしのびで視察にくる、という情報が流れ、やってきたアメリカ人男性を最上客としてもてなす涼と寺崎だったが、本当のホテル王は、明がその要求に答えようと一生懸命カクテルをつくっていた中年の女性だった。
寺崎とオーナーの話から、自分たちは話題作りのためにだけ引き抜かれたことを知った涼は、目を覚まし、明とともに、寺崎に刃向かい、クビをいい渡される。
本当のホテル王だったファンズワース夫人は、事業提携することを承諾するが、それは、ピンクドルフィンの経営を明と涼にまかせることが条件だった。
ついに、店長の座にのぼりつめた明と涼。

第10話「ピンチはチャンス」
ピンクドルフィンの店長になった明と涼は、「誰もがカクテルを楽しめるバー」を目指して、チップ制度の廃止、客の選別廃止などを打ち出すが、これまで縁がなかったような酔客などで店は超満員。多忙なわりに収入ダウンの従業員たちの不満は高まり、ついに全員ストライキを始めた。てんてこ舞いしながらも、なんとかふたりで店を続ける明と涼。新たな従業員を募集しようと言う涼に、明は「店長が従業員を信じられなくてどうすんだよ。理想を追い求めちゃいけないのかよ。」とあくまでも自分の姿勢を崩さない。

その頃、ベイサイドホテルの乙女にも危機が。ホテルのオーナーの息子がやってきて、スペシャルスイートを自分のために空けなかったと乙女をクビにしようとする。
自分の考えを少しでも出すと否定されることに打ちひしがれる乙女を、明は花火で慰める。

新しい従業員を募集させようとするオーナーに、明は「この店に必要なのは彼等なんだ。」と一歩もひかない。そんなやり取りを耳にした従業員たちは、再び店で働くことにし、ピンクドルフィンにやってきたホテルオーナーJrのわがままな要求にも答えることが出来、一件落着。

そんなおり、銀座再開発を計画する経営者の集まり水陽会のメンバーであるオーナーが倒れ、明と涼は、後を託された。
怪しげな黒幕集団、水陽会で明たちはどうなるのか？

第11話「サヨナラ」
水陽会のメンバーとなった明と涼は、早速、銀座再開発計画をまかされ、用地買収に奔走する。
しかし、その計画は、当初、水陽会会長・田所（寺田農）から聞かされていた、現在暮らす人達のためになるものではなく、追い出すことにしかならないものだった。
裏事情を知った明は、水陽会を脱会するが、田所は、そんな明に店をつぶすと脅しをかけ、ピンクドルフィンを営業停止にさせようとした。

一方、涼はラーメン屋開店に向かって準備を始めるが、明ひとりおいて自分だけ夢をかなえるわけにはいかない、といまいち乗り気でない。
そんな涼を見た千晶は、明に「涼をこれ以上しばりつけないでくれ」と頼む。

そんな折り、明に仕事を断わられた田所は、何も知らない涼に仕事をまかせようとする。そのことを知った明は、田所に詫びをいれ、自分ひとりにまかせて涼には知らせないでくれ、と頼み込み、涼を無理やりやめさせる。
明に裏切られたと思った涼は、失意のまま、店を出ていくが・・・。

水陽会は以前、津守失脚に関係しているようだし、麗は、心ならずも草野と婚約したし、明と涼のふたりの友情は？

最終話「夢は、かなう」
明から、いきなり別れを切り出された涼は、納得がいかない。
夢がかなって、銀座の一画にラーメン屋を開業するが、なんだか浮かない様子。
おまけにそこは、真の銀座再開発計画の一画で、明が毎日地上げにやってきては邪魔をし出した。

その明は、田所といっしょに、代議士へ賄賂を贈り、再開発計画の後押しを依頼する。
人が変わったかのように悪に染まる明を、乙女も津守も誰も理解できないでいた。
が、しかし、明はそうやって田所の懐に飛び込み、機会をうかがっていたのだ。
地元住民との調印式を任された明は一計を案じる。

調印寸前で、ナイフをもって飛び込んでくる涼。
式は滅茶苦茶になり、田所を刺そうとした涼は、誤って明を刺してしまう。
涼は、明が死んだと思って呆然とする田所たちに血まみれのナイフをつきつけ、贈収賄を告白させる。
そのとたん、起き上がる明。
告白はテープに録音され、検察が乗り込んできた。
ついに水陽会の陰謀はつぶれたのだ。

ミリオネーアもやめて、クルーザーでカクテルバーを開く明。
みんなを招くが、開店した当日閉店し、ニューヨークへいくと言いだす。
乙女もニューヨーク栄転がきまっていた。
一方、麗は草野との結婚式を途中で飛びだし、パリへ行って一からやり直すと言う。

明との別れの場面で耐えられなくなった涼は、思わずクルーザーに飛び乗ってしまう。
ふたりは、小さなクルーザーでニューヨークをめざすが、英語がしゃべれるわけでもなく、挙句の果ては、自由の女神があるお台場で燃料切れ・・。

こんなおバカなふたりの旅は続く。続くったら続く・・・。 The end

感想

クロコダイルダンディのようなカーボーイスタイル、怪しげなマントをきたメキシカン風、ビシッときめたタキシード、作業服に、お蕎麦屋さん・・とどめは、なんといっても、もう絶対二度とお目にかかれないステテコ姿と、おいしい映像満載の、織田裕二コスプレドラマです。

来週（第９話）は黒服っぽいですね。
今週は、織田くんの微妙な感情をあらわす豊かな表情に魅了され、射るような鋭いまなざし＆病床の乙女を見守るやさしいまなざしの二段攻撃に、沈没しました。(*^^*)
TV撮影時の裏返った声も最高だし・・織田くんってやっぱ、うまいですね。

杏樹さん、電撃結婚されたそうで、おめでとうございます。(^o^)

（第９話）寺崎との対決シーンは思いきり司馬はいってました。(^^;
カウンターから追いだされることになって、更衣室で頭を抱えるシーンがよかったです。
必死に工夫して、お客さんに満足していただいた夏のカクテルが、カキ氷に見えてしまった私って、いったい。((((^^;

そうそう。タイトルバックの感想を忘れていました。
セピアカラーで、東京の町を暴れる巨大化した明と涼。
涼がタバコを投げ捨てると、聖火台に火がつき、戦闘開始。
トンネルをくぐったとたん、トラックがやってきて、慌ててバックするシーンに、毎度笑ってしまいます。
倒れた涼にはとバスの千晶（さとう珠緒）が手を振ったり、麗（小雪）のポスターにキスしようとせまる明を嫌がって、写真が目を動かすなど、細かいところも凝っていて、とっても面白いです。

（第１0話）背広姿でパソコンを繰り、店の売り上げ推移をみる明。あの「喜屋武ちゃん」はどこへ行ってしまったのぉ！？というくらいの変身ぶりです。
乙女と花火するときも、涼の煙草に火をつけるときも、チャッカマンじゃなくなってしまってたし・・。
カウボーイハットとチャッカマンは必須アイテムだと思ってたので、意外でした。

どんどんイケてる男になっていく明。何があっても「かかってこぉーーい！」の姿勢は変わりませんね。
実は、私の最近の口癖だったりする。(^^;＜「かかってこぉーーい！」

（第１１話）街金からも恐れられる水陽会。そんな組織を相手に明はひとりで戦えるのでしょうか？
津守といっしょに鮮やかに逆転勝利してくれるといいんだけど。
最近は完全サブストーリーの麗さんのこともあるし、いろいろ拡散したストーリー・・・ラストは延長なしの５４分バージョンですが、ホントにこれでおさまるのかしら？(^o^;

（最終回）悪に染まる明、迫力ありました。
やっぱり、織田くんは悪っぽい役が似合います。(*^^*)
血のりが、ツモちゃん特製のブラディマリーだったなんてシャレてますね。
正味４５分ほどの間に盛りだくさんな内容でしたが、延長されなかったおかげで、テンポもよく、とても楽しめた最終回でした。
後味スッキリ、さすが、織田ドラマって感じ。(^-^)

途中、第６回から路線がコロっと変わってしまい、中途半端だった印象は否めませんが、最後はさわやかに終わってくれたので、よし、としましょう。甘いな。(^^;

でも、コスプレとともに、妙なハイテンションの勘違い男から、一途な熱血漢、悪etcと、ひとつのドラマでいろいろな表情の織田くんを見ることができて、よかったです。
ただ、その分、キャラをハッキリできなかったのか、織田くんが喜屋武明になり切れず、表情に青島はいったり、ハギワラはいったり、司馬ｾﾝｾはいったり・・と困惑されているような気もしました。

最初の強烈なぶっ飛びキャラの明＆ヒネくれた二流詐欺師の涼のコンビも面白かったので、そのままの設定で、もっとハチャメチャな、どたばたコメディも見てみたかったです。

(作成1998/05・最終改訂1998/07/03)

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